グランプリ
作品名:N’s1182「新しい着物」
未来を創造した作品と伝統工芸品
作者名:前田雄亮 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
「新しい着物」というのは、歴史を見ると日本人の衣服であった和装、着物は現代では伝統的な衣服となり若者は特に着ることが少なくなってきています。
しかし、西陣織ではこれから先100年後歴史として記されるような新しい衣服の形が生まれていません。そこで2022年現代で日常的に着られる着物を作りました。50年、100年未来に生まれてくる人たちが着物の形の変化に興味を持ち教科書にはその歴史が記載されるような物づくりをテーマに今回の未来創造作品を制作しました。
デザインの起源は「平安時代の衣装を現代の日常着だとどんな形なんだろう?」という疑問から始まりました。平安時代の貴族の衣服を連想しました。その頃の男女は気軽に話せる時代ではなく衣服以外でアピールできる素材がないということから衣服に対しての興味関心がありました。「十二単」や「束帯」そこから現代でジェンダーレスや年功序列を撤廃し階級の変化をなくし服に落とし込みました。
・
準グランプリ
作品名:西陣織を纏い世界を泳ぐ金魚
作者名:三浦遥花 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
まず鯉をモチーフに選んだ理由は、鯉には飛躍、成長、生命力、長寿という意味があり西陣織が鯉とおなじように、これからも人々の心の中で長く永遠に生き続け、成長し、日本だけでなく世界中へと飛躍していってほしいと思ったからです。
この鯉は西陣織と共に生まれ、555年間西陣織を日本中に広めるために日本中を泳ぎ続けてきました。西陣織が人々に知れ渡るにつれ、鯉もこんなに大きくなりましたが、この鯉はまだまだ大きくなります。日本だけでなく、これからは世界中を泳ぎます。この作品が世界中を泳ぎ回ることによって世界中に西陣織が広まっていきます。「インスタ映え」の作品ということでSNSをよく活用している世代(10~20代)にうけるような作品にしました。
10代20代の投稿やいいねの数などを見ていると一目ではよく分からないものよりパッと見て「〇〇だ!」と分かりやすいものや大きくて迫力があるものに惹かれる傾向があるとわかりました。なのであえて誰が見ても鯉だと分かるような作品、そして大きく大迫力な作品を作りました。
・
京都市長賞
作品名:新 Newly
作者名:橋本菜々 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
幼馴染のお父さんが亡くなった。急死だった。焼箔という伝統技術を持つ京都の職人だった。ひとつの技術継承が途絶えた瞬間を目の当たりにした。作品に使用した数百枚の色とりどりの箔は、もう使わないからと頂いたものだ。パネルも同様に持ち主不明の廃棄物。この世界はひっそりと無くなるもので溢れている。宇宙に広がる星々もそのひとつ。遠く彼方の星雲へ視野を向けるとそこには美しい宇宙が広がっている。この作品は時代が流れ”使用者が居なくなったもの”で制作した。
・
西陣織工業組合理事長賞
作品名:西陣織行燈
作者名:富坂綜絖店 富坂儀一郎 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
当店は西陣織の機を製作する綜絖業を営んでおり、西陣織が斜陽産業になりつつあったので、以前より、危機感を持ち、西陣織の良さを伝える為に和工芸品を創作するようになりました。当店は五感を大切に創作に当たっています。その中でも、西陣織の裂地を使用して、和工芸品を作るに当たって、五感のうち視覚と触覚を重視しています。
・
京阪ホールディングス社長賞
作品名:かざいと
作者名:奏絲綴苑 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
"竹管に色緯糸を繧繝に巻き付け、色糸の変化が美しくて癒される雰囲気を表現いたしました、室内での装飾品、野外ではそよ風の誘惑を受けて美しく愉転致しまして、夢見心地にいざないます。
*繧繝(うんげん)赤・青・黄・紫などを濃い色から少しずつ薄くなる様に段階をつけて色どる。"
・
京阪電気鉄道賞
作品名:帯の椅子【obi:s】
作者名:オフィス・デコ 白井純子 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
リボーン・ジャパン帯の椅子【obi:s】は眠っている西陣の帯を椅子の張地としてクオリティの高い世界に一つだけのチェアとしてよみがえります。日本の伝統文化の継承と日本の心を現在のライフスタイルの中に伝えていきたい。西陣織の帯は美しさだけでなく綾織りのとても丈夫な正絹で防水防腐加工をすればインテリア性だけでなく日常の様々なシーンで活躍できます。西陣織に新しい活躍の場を作りたい。タンスに眠る思い出の帯を張地にしてSDGS サスティナブルな魅力も発信できます。
・
西陣織会館館長賞
作品名:かいこちゃん
作者名:阿部飛文 様
作者より作品のテーマ、作品を通したメッセージ
かいこちゃんは、西陣織会館の2人目のキャラクターの案です。なぜかいこちゃんを2人目のキャラクターにしようと思ったかについて説明していきます。かいこちゃんは2年前、3年生の時、学校で西陣織の勉強をしたときに生まれました。
かいこの幼虫を育てて、まゆをとりました。学校で「マンガ・イラスト係」という係をして、かいこちゃんのマンガも同級生に書いて見せています。丸いデザインでかわいさを強調していますが西陣と同い年の555歳の妖精という設定です。ニシジンくんは、ネクタイをしますが、かいこちゃんは着物を着ることもできるので、PRなどもしやすくなります。また蚕の成虫をモデルにしているので、蚕を育てている人たちのことも知ってもらうために、このキャラクターで応募しました。