明治初期から西陣・笹屋町一帯で,疫病退散をねがい地蔵盆供養に作られはじめた糸人形は,「笹屋町造り物」として西陣の夏の風物詩として親しまれて来ました。昭和40年代に一時途絶えましたが,西陣和装学院や金襴関係者などにより復活し近年,北野天満宮楼門で初詣の皆さまに公開されています。
西陣織の帯や着尺,絹糸でつくる糸人形は,ハサミを入れず針で留め,豪華に飾りつけ仕上げられます。筬(おさ)や紋紙などの西陣織りの機道具なども使いながらアイデアを競いあって作られました。
本年の糸人形は,歌舞伎十八番のひとつ「勧進帳」から,安宅の関を越える弁慶と義経の知略とそれに応える富樫左衛門を糸人形で表現した大作です。
初詣などお近くにお越しの節にはぜひご覧ください。