「西陣伊達家の織物」展
近世西陣の飛躍に大きな功績を残した西陣家の名品を紹介する所蔵品展を開催したところ、開幕4日で新型コロナウイルスへの対応のため休館となりました。休館期間が長期のため展示概要をご紹介いたします。
西陣の伊達家は、上京区堀川寺之内付近で代々織物業を行ってきており、創業は江戸中期頃とおもわれます。高機仲間の織屋として「伊達弥助」の名を襲名し活躍してこられ、とくに4世弥助から三代にわたっての功績が広く伝わっています。
4世弥助は、明治6年ウィーン万博出品で渡欧。ジャカードをはじめとする洋式技術・意匠などを持ち帰り、織物業発展の礎を築きました。
続く5世弥助は、その技術をさらに深め、帝室技芸員にも選ばれるなど活躍。さらに、6世弥助、分家により家業を継いだ虎一と活躍が続き、西陣伊達家は西陣はもとよりわが国織物業の革新に大きく貢献されました。
本展では、伊達家の貴重な明治期の裂帖を紹介するとともに、パリ万博の作品進歩賞の賞状や記念メダル、5世弥助のはす糸による藕糸(ぐうし)織作品や、「伊達家の錆(さび)織」と称賛された琥珀織丸帯など、伊達家にまつわるさまざまな作品、史料を余すところなく紹介しています。
展覧再開後のご来館をお待ちしています。
西陣織会館3階 ◇西陣織史料室 Nishijin Textile Museum 入場無料 (4/5~5/6休館中)