
帯には昔から決められた長さがあり、一般的に袋帯は4m30cmぐらいが結びやすい長さとされています。今まではこの長さにしておけば、多くの方がフリーサイズ感覚で美しく締めることができたのです。
ただ、最近は食生活の変化などにより、女性の体格が変化してきました。そのため、一部のメーカーでは特注で少し長めの帯を作っているところもあります。また、和装学院などでも現代女性に合った長さを提唱している例もあります。しかし、仮にすべての帯を長めに作ると、せっかくの帯を切らなければならないケースが少なからず出てきます。帯を切ると、仕立てた時に柄の位置が狂って、美しく締めることができないのです。また、帯の長さは織り方や気候条件、さらに帯の結び方によっても変わるため、厳密にサイズを決めるのが難しいのも現状です。今後、体型の変化などに合わせて帯の長さは変わって行く可能性が高いのですが、現在のところ袋帯は4m30cmを基本にしているのは、最も多くの人に合う長さだから、と考えられます。